2021年2月定例会では、予算特別委員会で質問をさせていただきました。

2021.3.18「県立高校における校則について」

▶後藤香織

民主県政クラブ県議団の後藤香織です。

県立高校における校則について伺います。

1873年、当時の文部省が「小学生生徒心得」を定めたのが、校則の原型と言われています。

1970年代末には、荒れる学校が取り沙汰され、それにより校則が厳しくなりました。

近年では、頭髪や服装などを理不尽に制限する「ブラック校則」や、校則への違反指導において、中学生の丸刈り訴訟、黒染め強要など、子どもへの人権侵害として問題視されるようになってきています。

今月16日の参議院文教委員会では、小中高の不登校児童生徒のうち、その要因として「校則や学校のきまり」が含まれている児童生徒の数は5,572名であることが明らかになっています。

1994年、日本は「子どもの権利条約」に批准しています。その12条には子どもは、その発達段階に応じて、自分に関係のあることについて自由に意見を表す権利について定められています。

校則により、子どもの意思の尊重が損なわれないよう、また、その違反指導などにより子どもの人権が侵害されることのないよう、との視点から、今回は質問をさせていただきます。

まずはじめに、そもそも何のために校則があると認識しているのか、お聞きします。

 

▶高校教育課

校則は、学校が心身の発達過程にある生徒の集団生活の場であることや、社会規範について学ぶ場であることを前提に、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針を定めるためにあると認識しております。

 

▶後藤香織

その認識を確認した上で、委員長、あらかじめ、県立高校における校則の状況について、資料を執行部に要求しておりますので、委員会配布のお取りはからいをお願いいたします。

※資料配付

 

 

 

 

 

 

資料の説明については割愛させていただきますが、みておわかりのように、これは全日制県立高校など93校の服装や身だしなみに関する校則の状況を示しています。各項目について、何らかの規制がある学校の数とその割合が記載をされています。

それでは、校則を違反した場合は、県立高校ではどのような対応をしているのでしょうか。

 

▶高校教育課

校則違反の状況や態様は様々なので、具体的な対応を述べるのは困難であります。

ただし、校則に関する指導については、規律のみを重視した指導ではなく、生徒の個性や主体性を十分尊重した指導が必要であり、各県立高校では、単なる制裁的な指導や他の生徒に対する見せしめ的なものではなく、生徒の内面的な自覚を促し、主体的に決まりを守るような指導に努めています。

 

▶後藤香織

今、答弁の中で「制裁的な指導はない」という趣旨の発言がありましたが、そもそもその制裁的な指導は学校教育法第11条に規定されている懲戒権に該当するものと思われます。

しかし、例えば、ある県立高校では、1回の校則違反につきカードでのチェックが行われ、一定以上のチェックがされた場合、停学等の懲戒措置がされることになっています。

これは制裁的な指導なのではないでしょうか。
このような事例はいくつかの県立学校で見られます。

制裁的な指導はない、ということはないことを指摘しておきます。

ここからは、配布資料の(6)の、下着に関する規制についてお聞きします。

福岡県弁護士会は福岡市内の全中学校の校則を調べ、公表。
中学校校則の見直しを求める意見書を福岡県教委などに提出しました。

この福岡県弁護士会の調査によると、下着の色に規制がある中学校は69校中57校で83%、さらには、脱がせるといった違反者への指導の定めがある中学校が3校あるということです。

そこで、本県の県立高校における下着の校則について、どのようなものがあったのか、違反時の指導方法もあわせてお聞きします。

 

▶高校教育課

下着に関する校則は、47校で設けられており、その趣旨は主として夏季にカッターシャツやブラウスなどを着用する際に、派手な色や華美な柄がある下着の着用を禁止するものや、白・黒・紺・ベージュに限るなどの色を指定しているものもあります。

違反があった場合は、保護者と連携し是正するよう指導しています。

 

▶後藤香織

シャツの下の下着が透けるので、柄はダメ、色を指定するのではなく、透けないシャツに変えることの方が、生徒のための学校の行動ではないかと私は思います。

今月14日にはワシントンポストが、この福岡市の中学校での下着の校則について、取り上げ、日本の校則のおかしさを紹介しています。

今月2日には、長崎県教委は、下着の色の指定やそれを確認する行為を例にあげた上で、校則などのなかには人権問題になりかねない内容や、生徒の実情、社会を取り巻く環境の変化になじまないものが散見されるとして、校則の確認や見直しを求める通知を出しました。

私自身も、児童・生徒の性別によらず、その下着の色をチェックをするということは、児童生徒に対する人権侵害になりうるものではないかと、大きな憤りを感じています。

そこで、福岡県教委でも同じように通知を出し、校則の確認や見直しを求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 

▶高校教育課

下着の規制を含め、校則については、生徒がその目的を理解して主体的に守り、生徒の成長につながるものであるべきです。

この視点に立って、各学校において、社会情勢の変化も踏まえ、適切に見直しが行われるよう、校長会や生徒指導担当者研修会などを通じて指導しています。

その上で、高校教育課では、3年に1回の調査で各高校の校則の見直し状況を把握しています。

 

▶後藤香織

私は、校則の確認や見直しを求めるべき、と質問したのですが、現状について答弁したのみになっており、お答え頂けませんでした。

では、視点を変えて言います。

冒頭校則に関する認識で高校教育課は「社会規範について学ぶ場であることを前提に」、「よりよく成長していくための指針」と答えています。

では、具体的に校則の中身を見てみると、例えば服部知事職務代理者の母校でもあります県立小倉高校をはじめ多くの県立高校では、女子の髪型で「ポニーテール」を禁止しています。

今、ご覧の通り、私もポニーテールをしていますが、ポニーテールは社会規範が守れていない髪型なのでしょうか。

ポニーテールをしたら、よりよく成長していかないのでしょうか。

女子のポニーテールが、なぜだめなのか、教えて下さい。

 

▶高校教育課

学校は社会規範について学ぶ場であることは間違いありませんが、ポニーテールが社会規範に反するかどうかとは直接は関係しておりません。

ポニーテールが禁止されるに至った事情がその学校ごとにあるはずでございまして、そこは学校が生徒の実態や生徒、保護者の意見を踏まえて形成してきたものだと考えております。

また、今後、ポニーテールを永久的に禁止せよという考えも持っておりませんので、各学校で主体的に見直しが図られればと考えております。

 

▶後藤香織

先ほど課長もおっしゃったように、主体的に見直しが行われる環境になるといいなと私も思っております。

しかし、課長は、先ほど校則について、「生徒がその目的を理解して主体的に守り、生徒の成長につながるものであるべき」ということも言われました。

ポニーテールの髪型の禁止の目的が、今の答弁であると学校のほうでしか分からないということなんですけれども、高校の先生たちがきちんと生徒に説明をできているのかどうかというのも、私はどうなのかなと思っております。

そちらのほうもきちんと確認をしていただいて、どういった目的でこの校則になっているのかということを。

私が言いたいのは、このような、目的が理解できないような、社会的に明らかにおかしいと思われる校則が、県立高校に多数あるのではないかということです。

そこで、全県立高校の校則について、県教委として検証し、課題がある場合は、設置者として、各学校に個別に指導するよう、要望させていただきます。

最後に、本県の県立高校における校則のあり方について、副教育長にお伺いします。

 

▶高校教育課・副教育長

学校を取り巻く社会環境や生徒の状況は変化するため、校則の内容は、生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、また、一人一人の生徒の状況に応じた適切な配慮や指導、支援が求められる時代に対応しているかなど、絶えず積極的に見直す必要があると考えています。

県教育員会としては、今後とも、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として、校則の見直しが適切に行われるよう、各学校を指導してまいります。

 

▶後藤香織

副教育長からは、校則の内容は「絶えず積極的に見直す必要がある」「校則の見直しが適切に行われるよう各学校を指導する」とありました。

私が冒頭申し上げたように、校則が人権問題になりかねない内容のものでないか、生徒の実情や社会をとりまく変化になじまない内容のものでないか、きちんと学校にて検証し、県教委もしっかりと指導をしていただけますよう、強く要望をして、私の質問を終わります。

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