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2024年6月定例会・一般質問における私の質問、「幼児の眼の疾患を早期発見・早期治療につなぐ取組について」の内容です。

2024.6.17

屈折検査機器の導入について

▶後藤香織

皆さま、こんにちは。

民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。

6月10日は「子どもの目の日」でした。「はぐくもう!6歳で視力1.0」という願いが込められています。

そこで今回はまず、幼児の眼の疾患を早期発見・早期治療につなぐ取組について、知事にお尋ねいたします。

ヒトは目から80~90%の情報を得ているといわれてます。

生まれたばかりの赤ちゃんは、はっきりものが見えませんが、3歳までに急速に視覚が発達し、6歳~8歳ころまでにほぼ完成します。

その間の視覚の発達は脳の発達とも密接に関係しています。

「弱視」とは、視覚が発達する過程で何らかの原因で発達が妨げられた「視力の未発達」の状態で、約50人に1人程度と言われています。

視力が発達する時期にめがねを常用するなどの治療で多くの場合は、就学時までに視力が回復する、つまり、治療が可能であり、3歳児健診で発見し、小学校入学までに治療を行うことが非常に重要です。

しかし、3歳児の場合、文字を読むことが少ない上、出生時からぼやけていると、視力が「0.3」程度あれば本人にとっても支障はなく、保護者や周囲の大人も気づきにくい状態にあります。

そういった状況であるにも関わらず、これまでの本県の3歳児健診での視覚検査は、自宅で、保護者が絵指標を用いた1次検査をし、そこで再検査を判断した場合に、健診会場にて、絵指標を用いた2次検査をするというのが基本です。

私自身も3度行いましたが、保護者の判断や絵指標では、検査の精密さに欠けると実感しており、多くの保護者からも同様の声を聞きました。

また、弱視にきづかなかった、と責任を感じる保護者もおり、3歳児健診の眼科検査の仕組みの変更が必要だと考えます。

2023年3月に成育基本法に基づき閣議決定された「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」では、3歳児健診の視覚検査に屈折検査機器を導入する市町村を国が支援する方針を出しました。

この屈折検査機器を全国のトップを切って2017年に全県導入した群馬県では、導入前の2016年度は2次検査までで「要精密検査」とされたのがわずか1.3%だったのに対し、導入後の2018年度は12.9%と10倍増の検出率に向上したとのことで、疾患発見見逃しの防止・早期発見に非常に有効だと考えます。

そこで、年の本県の3歳児健診の視力検査における要精密の割合、本県内自治体の3歳児健診視力検査での屈折検査機器導入の状況と要精密の割合との相関性についてお示し下さい。

その上で、早期発見に有効な屈折検査機器の導入を全県下に広げるべきと考えますが、知事の見解とそのための取組についてお聞かせください。

 

▶知事

本県の3歳児健診の視覚検査における、一昨年度の要精密の割合は、6.0%であります。

このうち、屈折検査機器を導入して検査を実施した22市町村では要精密が8.2%となっており、導入していなかった市町村の5.4%と比べて高い数値となっています。

幼児の弱視等は早期発見することで治療による回復が可能となります。

この屈折検査は、弱視等の検出に有用であることから、国においては、一昨年度から市町村に対する補助事業を創設し、3歳児健診への屈折検査機器の導入を進めているところであります。

県では、市町村の母子保健担当職員を対象とした研修会などにおいて、国の補助事業を活用した屈折検査機器の導入について働きかけてきました。

この結果、現在、54市町村において導入されているところであります。

また、屈折検査機器を導入していない残り6市町についても、今後、導入する意向が示されています。

 

視覚検査で要精密検査となった幼児の受診率向上について

▶後藤香織

早期発見できた眼の疾患は確実に治療につなげる必要があります。

例えば、1,000人に1人といわれている先天性聴覚障害を抱える乳幼児に関しては、本県では円滑に療育につなげるための「乳幼児聴覚支援センター」を設置するなど、新生児の聴覚に係る検査と支援の体制の充実を図っています。

今年度までの第2期「ふくおか子ども・子育て応援総合プラン」の「小児医療・乳幼児保健対策の充実」の中では、聴覚は触れられているものの、乳幼児の視覚については全くふれられていません。

また、弱視といった眼の疾患の早期発見の重要性も母子手帳や県の発行する「子育て応援団」に記載するなど、県民に広く知らせる必要もあると思います。

そこで2点目に、要精密検査となった後の眼科受診率についてお示しください。受診率をあげるため、幼児の眼の疾患を早期治療につなぐ取組の強化が必要と考えますが、今後の取組強化の方針について、知事の見解をお聞きします。

 

▶知事

一昨年度の3歳児健診視覚検査では、要精密となった幼児1,924名のうち、精密検査を受診した幼児は1,345名で、受診率は69.9%となっています。

精密検査を受けなかった理由として、保護者からは、

・早期に治療すれば、視力が回復すると知らなかった
・どこで精密検査を受ければ良いかわからなかった
・忙しくてつい精密検査を先延ばしにしていた

などの声があげられています。

このため、県では、市町村母子保健担当者を対象とした研修会等において、

・要精密児の保護者に対して、チラシなどを用いて、視覚の発達や早期治療の重要性を説明
・精密検査受診が可能な医療機関のリストの提示
・未受診の保護者に対する手紙や電話による勧奨

などの受診率が高い市町村の事例を紹介して、実施を促すこととしています。

また、今年度から県が発行する母子健康手帳別冊や福岡県にこにこ家族づくりポータルサイト通称「にこぽ」などを活用して、早期に治療すれば視力が回復することなどを周知することとし、これらを通じ、受診率の向上に取り組んでまいります。

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