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2024年12月定例会における私の代表質問、「投票率の向上に向けた取組について」の内容です。

2024.12.6

移動期日前投票所の取組について

▶後藤香織

次に、投票率の向上に向けた取組みについてお聞きします。

この度行われた糟屋郡選挙区の県議補選では、投票率が19.15%と20%を下回り、過去最低となりました。

また、去る10月27日投開票の第50回衆議院議員総選挙の投票率は、前回2021年の投票率を下回る53.85%でした。本県ではそれをさらに下回る51.59%で歴代2番目に低い数字です。

この度の選挙は衆議院解散から公示までの期間が非常に短く、市町村選挙管理委員会から有権者への投票所入場券の発送が遅れる、といった混乱もありました。

このような中、選挙の周知や投票行動を促す仕掛け作りも十分にできなかったことは理解できますが、昨年の統一地方選挙も本県は過去最低の投票率となっており、このまま下がり続けると民主主義の根幹が崩壊すると言っても過言ではありません。

こうした中、各市町村選管においては、大学や高校に期日前投票所を設けるなど、努力をされています。

中でも、宗像市選挙管理委員会においては、福岡教育大学、日本赤十字九州国際看護大学、宗像高校、東海大付属福岡高校の4か所を巡回する「移動期日前投票所」を新たに導入しました。

2016年に全国で初めて「移動期日前投票所」を導入した島根県浜田市では、中山間地など、投票所まで距離が離れた交通手段の確保が難しい選挙人への投票機会を確保するため実施しており、投票区の約4割が利用したとのことです。

全国でも移動期日前投票所を導入する自治体が増えています。

そこで、選挙管理会委員会委員長にお伺いします

移動期日前投票所の具体的な内容と、これによる効果及び課題をどう分析されているのかお聞かせください。

 

▶選挙管理委員長

移動期日前投票所は、複数の箇所を自動車を用いて巡回し、期日前投票所を設けるものであります。

今回、宗像市では、市のコミュニティバスを活用し、市内の高校・大学計4校を2日間かけて巡回しました。

投票は、近隣住民の方も可能であり、2日間で171名の方が投票を行いました。

この移動期日前投票所は、高齢者や障がい者など投票所への移動が困難な方はもとより、有権者の投票の機会を幅広く確保する上で、有効な取組であると考えています。

商業施設や駅前等、多くの人が集まる場所で実施することによる有権者の利便性の向上や、今回のように高校・大学で実施することによる若者の政治意識の向上にも資するものであると考えています。

一方、移動期日前投票所の実施に当たっては、

・巡回場所・日時を予め告示する必要があるため、有権者の希望に応じた臨機の対応ができない

・選挙事務が輻輳するなか、人員等の執行体制の確保が困難

・悪天候の場合、受付用テント等の設置に困難が生じる

といった課題もあるところであります。

 

期日前投票所の増設について

▶後藤香織

また、県内市町村に対して、移動期日前投票所を含めた期日前投票所の増設が必要と考えますが、どのように働きかけを行うのか、お考えをお聞かせください。

 

▶選挙管理委員長

期日前投票所は、市町村の公共施設を中心に設置されますが、県選挙管理委員会では、これまで、市町村選挙管理委員会に対し、有権者にとって利便性の高い大型商業施設等への設置を働きかけてまいりました。

今年7月には、市町村選管が設置を検討する際の参考となるよう、投票所の設置・運営を外部委託する場合の仕様書例や事務従事者用のマニュアル等の資料提供を行い、積極的な検討を依頼しました。

また、先般の9月議会で、県知事選挙における商業施設等への設置箇所数を増加する経費を議決していただいたことを受け、10月に、改めて検討を促す文書を発出したところであります。

来年3月の県知事選挙の執行に向け、大型商業施設等への期日前投票所の設置が進むよう、引き続き、市町村選管への働きかけを行ってまいります。

なお、移動期日前投票所については、同種の取組として、投票所までの送迎や無料乗車券の配付等を行う移動支援もあることから、それぞれの特徴や地域の実情を踏まえ、効果的と思われる取組の実施について検討を促してまいります。

 

模擬選挙の実施について

▶後藤香織

次に、若い世代の投票率向上に向けた取り組みについてお聞きします。

今回の衆議院選挙でも前回同様20代の投票率が一番低くなっています。しかし、18歳・19歳、20代、30代ともに前回より若干ですが投票率が上がっており、この流れを加速するためにも、より現実的な主権者教育が重要だと考えます。

今回の選挙では、キッザニア福岡で、子どもたちが比例代表方式で実在の政党に投票する模擬選挙が実施されました。

同様に中立性に配慮しながら中学・高校において、単なる架空の人物に対する投票ではなく、実在の人物や政党を対象にした投票を実施している学校もあり、非常に重要な取り組みだと考えます。

そこで、投票率が全国平均を下回る本県において、若年層の投票率向上に向け、現実的な模擬選挙を体験できる場が必要と考えますが、県選管主催や民間との連携での実施、または学校での実施について、選挙管理委員会委員長及び教育長のお考えをお聞きします。

 

▶選挙管理委員長

県選管では、若年層の投票率の向上に向け、これまで、高校や中学への出前授業、架空の候補者についての模擬選挙を行ってきました。

御指摘の実際の選挙を題材とした模擬選挙については、選挙や政治をより身近なものに感じさせ、将来の主体的な投票行動へつなげていくための学習として、取り組まれている学校もあります。

このような模擬選挙を学校現場や民間において実施する場合は、政治的中立性や公職選挙法等への十分な配慮が必要であり、また、教育委員会や市区町村選管等、関係者間の十分な連携・協力が求められます。

県選管としては、専門的知見からのアドバイスを行うほか、より効果的な取組となるよう、実際の選挙公報や啓発ポスターの提供、理解を深めるための出前授業などを行ってまいります。

 

▶教育長

学校において、模擬選挙を実施することは、生徒に選挙や政治をより身近なものに感じさせ、将来の主体的な投票行動へとつなげていくための実践的な学習であり、県立高校では、昨年度62校において実施しています。

このうち、実際の選挙を題材とした模擬選挙については、5校で実施しています。

なお、実際の選挙運動期間に合わせて模擬選挙を実施する場合は、政治的中立性を確保しつつ、公職選挙法等に抵触することがないよう十分留意する必要があるため、選挙管理委員会と連携し、効果的な取組となるよう、主権者教育担当教員を対象とした研修会等で周知してまいります。

 

今後の選挙啓発におけるSNSの活用について

▶後藤香織

現代の若者は、選挙に関する情報の多くをSNSで得ています。

東京都知事選、兵庫県知事選においても、その傾向が見られました。

しかし、インターネット上では、その情報の真偽を確認する「ファクトチェック」が十分されないまま、見た人の主観で情報が拡散され、信頼できる情報発信が求められています。

また、現行の制度では、選挙や候補者情報を発信する制度として「選挙公報制度」がありますが、新聞購読者の減少や期日前投票をする方が増え、紙の選挙公報では、情報発信が不十分だと考えます。

来年は、3月に知事選、7月に参議院議員選挙など大型選挙が控えています。

そこでこの項の最後に、SNSでの更なる啓発・情報発信が必要と考えますが、今後の選挙において、どのようにSNS活用を強化していくつもりか、選挙管理委員会委員長にお考えをお聞きします。

 

▶選挙管理委員長

県選管では、これまで、若年層向けの啓発として、先ほど申し上げた出前授業や模擬選挙のほか、啓発イベントのYouTube配信、SNS等へのバナー広告等を行ってきたが、若年層の投票率は、依然として低い傾向にあります。

先の衆議院議員総選挙後に、県内の18歳から29歳までを対象としたアンケート調査を実施したところ、投票参加への効果的な情報源として、「SNS」をあげた方が一番多く、約3割にのぼりました。

このため、来年の県知事選挙では、SNSの活用をより充実させるなど、若年層を特に意識した啓発を強化したいと考えています。

具体的な手法として、例えば、インスタグラムであれば「若年層の利用が多い」、Xであれば「拡散力に優れる」といったSNSの媒体ごとの特徴を踏まえながら、より効果的な広報となるよう取り組んでまいります。

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