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2024年12月定例会における私の代表質問、「地域医療提供体制の確保について」の内容です。

2024.12.6

医師の働き方改革の影響等について

▶後藤香織

次に、地域医療提供体制の確保について、知事にお聞きします。

ことし2024年は、医師の働き方改革が実施され、医療の2024年問題として、わが会派も2024年2月定例会代表質問で、県の対応と地域医療体制の充実について質しました。

知事からは「医師の働き方改革による影響を把握するとともに、医師会や市町村などの関係者と丁寧な協議を行い、地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進してまいる」と答弁がありました。

本県は、全国的には医師多数県と位置付けられておりますが、京築保健医療圏は全国の下位1/3に属する医師少数区域であり、中山間地域や離島などでは、医師の高齢化が進み、必要な診療科の医師が確保できない実情があります。

医師の働き方改革の影響で、福岡県内でも、大学病院からの派遣医師の引き揚げ、夜間救急の受入れの制限が起きており、ますます医師不足が強まることが予想されます。

また、近年では、美容形成外科が3年間で4割増え、診療科の偏在に拍車をかけているともお聞きしました。

そこで、医師の働き方改革の県内の影響について、その後の調査結果をお示しください。また、不足している診療科目や地域に、今後どのように医師を確保していくつもりか、お聞かせください。

 

▶知事

今年7月から10月にかけて、県内の病院など501医療機関に対して、医師の働き方改革の施行後の影響について調査を行ったところ、大学病院等からの派遣医師が減少したと34医療機関から回答がありました。

また、影響が懸念されていた診療科のうち、救急科については、8医療機関が診療科の制限などを行い、産科については、1医療機関が分娩取扱数の削減を行ったとの回答がありました。

今回の調査の結果、現段階では、地域の医療提供体制に大きな影響は見られなかったものの、引き続き注視してまいりたいと考えています。

次に、診療科の偏在等の解消に向けた取組についてであります。

県では、診療科の偏在解消に向けて、久留米大学に福岡県特別枠を設置し、産科、小児科、救急科等の医師を目指す医学部生に対して、卒業後に9年間、同診療科で県内勤務することにより、返還を免除する奨学金を貸与しており、現在、12名がそれぞれの診療科の医師として、6名が研修医として勤務しています。

また、産科、小児科などの専門医資格取得を目指す若手医師に対しても、資格取得後、貸与年数と同じ期間、指定する医療機関で勤務することにより返還を免除する修学資金を貸与しており、現在、23名がそれぞれの診療科の医師として勤務しています。

地域偏在の解消に向けては、自治医科大学でへき地医療に従事する医師を養成し、県内の医療機関に派遣するとともに、県内4大学医学部に医師少数区域等へ医師を派遣していただくための寄附を行っています。

引き続き、これら取組を通じ、診療科や地域の偏在解消につなげてまいりたいと考えています。

 

医師偏在指標について

▶後藤香織

医師多数県の考え方は、日本国内での医師偏在指標の上位1/3・としていますが、この指標では、課題が大きく2つあります。

1つは、世界と比較すると日本は人口1,000人当たりの医師数は少ないにも関わらず、国内での比較のみになっており、日本全体の医師数の増加につながっていません。

2つめは、この指標をもとに全国規模の医師偏在対策が行われているため、多数県にあたる本県は、県内の地方の医師不足は解消されません。

このことは、これまでも県議会で地域部の医師不足が指摘されていましたが、解消されていません。

また、国は医師多数県に対し、診療報酬を下げる考えも示しており、多数県である本県内の医療機関は非常に危機感を持っていると聞いています。

我が会派は、どの地域でも確実に医師が確保できるしくみをつくるべきと考えます。

そこで2点目に、医師偏在指標について、多数県の考え方を改めるべきと考えますが、国への要望も踏まえ、知事のお考えをお聞きします。

 

▶知事

この指標は、人口構成や、医師の年齢区分等の要素を考慮した医師数を、全国で比較するため、国が示した指標で、上位三分の一が医師多数県、下位三分の一が医師少数県とされ、本県は全国3位の医師多数県となっています。

国においては、この指標をもとに、医師多数県の臨床研修と専門研修の募集定員が減らされるなど、医師偏在対策を行っているところであります。

しかしながら、医師多数県であっても地域偏在の問題があり、指標に基づく機械的な対応では、医療提供体制に支障を来たすことも危惧されるところであります。

このため、県では、他の医師多数県や全国知事会と連携して、医師多数県や少数県といった区分けにより偏在是正を一律に行うのではなく、地域の実情を詳細に分析した上で、地方としっかりと協議を行いながら進めるよう、国に対し要望しているところであります。

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