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2024年12月定例会における私の代表質問、「室見川の河川整備について」の内容です。

2024.12.6

室見川の減災に関する福岡市との連携について

▶後藤香織

次に、室見川の河川整備について、質問してまいります。

福岡市は、全国20の政令指定都市のなかで唯一、市内を一級河川が流れておらず、市内の2級河川が氾濫した場合の被害は甚大で、治水対策に県が担う役割が大きく、多くの県民の命と生活がかかっているといえます。

私の地元早良区は、中央区との境に樋井川、西区との境に2級河川の室見川が流れていて、その支流の金屑川、油山川、小笠木川、椎原川なども区内にある2級河川です。

特に、室見川は1953年の「昭和28年豪雨」、1963年の「福岡大水害」の際にいずれも氾濫して周辺に大きな被害をもたらしました。そのため絶え間ない浚渫工事と河道改修工事が行われてきました。

しかし昨年2023年7月の「梅雨前線による大雨」では、室見川の水位が越水直前まで高まり、一部で護岸が崩壊。早良区脇山では、降水量225ミリを記録し、観測史上2番目となるほど激しい雨が降りました。

近隣住民からも、これほどの高さまで迫ったのはこの30年ではじめてでは、と危惧する声が聞かれました。

室見川沿いは駐車場で車が水に浸かったり、広範囲で道路が冠水。他に椎原川でも護岸崩壊が起きました。

また、洪水浸水想定区域にある特別養護老人ホームでも床上浸水して、入居者が避難を余儀なくされました。

河川の氾濫に不安を持つことなく、安心に過ごせるような河川環境の向上が求められています。

特定都市河川浸水被害対策法は、都市部の河川流域の浸水被害対策を目的に2003年に制定され、2021年には「流域治水」の実効性を高めるため改正されました。

特定都市河川に指定されると、下水道浸水被害軽減事業、区域内の建築物の改修や嵩上げに係る支援、などが強化され、昨年7月並み、またはそれ以上の大雨が降った場合でも、被害を軽減できると考えます。

近年の浸水被害の激甚化、頻発化を踏まえると、福岡市としっかり連携・協議をし、減災対策に取り組むことが重要であると考えます。

そこではじめに、これまで室見川の減災を目的として、福岡市とどのように連携・協議を行ってきたのか、今後、連携・協議を強化すべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせ下さい。

 

▶知事

近年の気候変動による水災害の激甚化、頻発化に備えた減災対策を推進するためには、あらゆる関係者が連携していくことが重要であります。

現在、県では、室見川を含む福岡都市圏の二級河川において、水災害による被害を軽減させる取組を検討するため、国や福岡市などの圏域内市町と連携し、「流域治水協議会」や「大規模氾濫減災協議会」を設置しています。

これらの協議会では、「流域治水プロジェクト」を策定するとともに、このプロジェクトに基づく対策の実施状況のフォローアップを行っています。

室見川では、「流域治水プロジェクト」に基づき、河川管理者が、河道掘削や河川監視カメラ、水位計の設置を行い、また、国や福岡市が、間伐などの森林整備や、雨水貯留浸透施設への助成を行うなど、関係者が連携して、ハード・ソフト一体となった流域治水に取り組んでいます。

引き続き、これらの協議会を通じ、国や福岡市などの圏域内市町と連携し、流域治水の取組を推進することで、室見川における水災害の更なる軽減に努めてまいります

 

シロウオの産卵環境に対する河川管理者の関わりについて

▶後藤香織

氾濫防止のための河川改修の結果、下流域に大量の土砂が流れ、シロウオの産卵に悪影響を与えたという声も聞きます。

シロウオの減少の要因は諸説ありますが、近年、その数が激減し、江戸時代から300年以上続くとされる室見川のシロウオ漁は資源回復のため直近2年間実施されていません。

生態系も守りつつ、河川整備を行う必要もあります。

そこで2点目に、これまで県では、市民団体などが実施するシロウオの産卵環境をつくるための活動に河川管理者としてどのようにかかわってきたのか、今後の方針についてもお聞かせください。

 

▶知事

室見川の河口域では、毎年2月に地元大学を中心に市民の方々や漁業関係者が協力して、シロウオの産卵環境の改善活動を行っています。

シロウオは石に卵を産み付ける習性があることから、この活動は、川底に埋没した石を表面に掘り起こすことで、産卵場としての機能を回復させるものであります。

室見川を管理する県としては、河川区域内で活動することに対する承認を行うとともに、安全対策や濁り対策に係る技術的助言を行っています。

今後も、河川における生態系の保全に資する、このような活動を支援してまいる。

 

「郷土の水辺整備事業」について

▶後藤香織

3点目に、本県では、生態系の保全、心地よい景観形成、親水性の確保を行うとともに、人と自然が出会う人里の水辺環境の整備を行う「郷土の水辺整備事業」を実施しており、こういった事業が大変重要だと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

併せて、室見川における「郷土の水辺整備事業」の現在の実施状況について、お答えください。

以上、県民の生活と命を守る課題を中心に質問させていただきました。

ご答弁よろしくお願いいたします。

 

▶知事

河川は、人々の生活に潤いや安らぎを与える貴重な自然空間であります。

このため、「郷土の水辺整備事業」により、地域の方々が河川と親しむことができるよう、親水空間を整備することは重要だと考えています。

室見川では、地元からの要望を踏まえ、平成21年度以降、福岡市早良区の内野地区、西入部地区の2箇所で河川内に遊歩道を整備しています。

今後とも、自然環境を保全しながら、親水空間を整備することにより、親しみやすい川づくりに取り組んでまいります。

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