2022年12月定例会における、私の一般質問「ウクライナから避難されてきた方々への継続的な支援について」の内容です。
2022.12.13
Contents-目次-
本県に避難したウクライナ人の状況と支援について
▶後藤香織
次に、ウクライナから避難されてきた方々への継続的な支援について、知事と教育長にお聞きします。
本年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、あと2ヶ月余りで1年となります。
国は、特例として、就労可能な特定活動ビザを創設し、本県も「福岡県ウクライナ避難民支援連絡調整会議」を設置し、県営住宅の提供、就労・教育などの相談支援、在留資格変更手続きなどの、様々な生活支援を行ってきました。
そこで1点目に、本県に避難してこられたウクライナの方々の状況とその支援の取組の現状について、知事にお聞きします。
▶知事
今月12日時点で、本県には、131人の避難民の方がおられます。
そのうち、56人は県内に親族や知人がいる方、7人は国からの依頼により受入れた方で、ほか68人は日本経済大学の留学生であります。
県では、福岡県外国人相談センターに、在福ウクライナ人を1名配置し、住宅、就労、教育など多岐にわたる相談を受けるとともに、必要に応じて行政書士と連携し、在留資格変更の手続き支援など、きめ細かな対応を行っています。
また、県営住宅及び入居に必要となる照明器具やガスコンロなどの生活物資を無償で提供しています。
現在、県営住宅に4世帯が入居されています。
市町村においても、16の市町が公営住宅を提供し、7世帯が入居されているほか、学校の編入手続きや日本語教室の案内などの支援が行われています。
また、県が募集しているウクライナ支援救援金に、先月末時点で3,400万円を超える県民の皆様からの寄付をいただき、日本赤十字社を通じてウクライナでの人道支援に役立てられています。
加えて、県内の30の企業や団体から生活支援や雇用などの申し出が寄せられており、避難世帯への食料品の定期配達などの支援につながっています。
これらの支援は、県、両政令市、市長会及び町村会からなる「福岡県ウクライナ避難民支援連絡調整会議」において情報を集約し、関係機関と共有するなどして避難民の方々の支援に取り組んでいます。
ウクライナ避難民への支援継続ついて
▶後藤香織
母国を離れ、日本に、福岡に避難してきたウクライナの方々は、侵攻の終わりが見えない中、避難が長引き、帰国のめどが立っていません。
このような状況にありながら、特定活動ビザの期限が1年であり、国は1年を超えての対応を未だ明らかにしていません。
もし国が対応しないとなった場合に支援はどうなるのか、と不安の声を聞いています。
そこで2点目に、避難が長引いた場合、1年を超えて引き続きの支援継続が必要だと考えますが、現状での知事の考えをお聞きします。
▶知事
現在、避難して来られた方々は、90日間の「短期滞在」として日本に入国後、1年間の「特定活動」の在留資格に変更が認められます。
一方、ウクライナ情勢は、現時点で、早期に収束する見込が立たない状況であり、避難生活の長期化が考えられます。
現在認められている「特定活動」の在留資格の更新については、県から出入国在留管理庁に問合せを行っているが、国の方針はまだ示されておりません。
県としては、国の動向を注視しながら、引き続き、ウクライナ避難民の方々へ、出来るかぎりの支援を行っていきたいと考えています。
日本語を話せない避難民の方への就労支援について
▶後藤香織
次に、特に、日本語をはじめとした支援についてお聞きします。
ほとんどのウクライナ避難民の方々が、日本語ができない状態で来日し、就職はできるビザはあるものの、ことばの壁があり、やりたい仕事とできる仕事に乖離がうまれているのではないかと推測します。
帰国するまでの間とはいえ、やりがいを持って働くことは人間として重要な要素であり、福岡での避難生活を充実させるための大きな要素の一つだと考えます。
そこで3点目に、日本語が壁となって就職をあきらめざるを得ない方へさらなる支援が必要と考えますが、日本語を話せない就労意欲のある方に対する支援はどのように行っているのか、また、県の相談窓口への就職や日本語に関する相談件数、その相談内容とあわせてお聞きするとともに、今後どう支援を行うのか、知事にお伺いします。
▶知事
県外国人相談センターに寄せられる就職や日本語に関する相談は、先月末時点で17件あり、その内容は、就職や転職した場合の在留資格の取り扱い、企業の雇用手続き、日本語教材やお住いの地域の日本語教室についての問い合せなどでありました。
就職に関する支援として、県では、「福岡県ウクライナ避難民支援連絡調整会議」に各企業から寄せられた求人の意向に関する情報を福岡労働局に提供し、ハローワーク内の「福岡外国人雇用サービスセンター」を通じてマッチングにつなげています。
また、日本語習得を希望する方には、市町村と連携した日本語教室の紹介や、ウクライナ語版の日本語学習教材の案内を行っています。
現在就労されている避難民の方は16名おられ、その中には、これらの取組により就職に結びついた方もおられます。
県としては、引き続き、このような支援にしっかり取り組むとともに、就職希望者のニーズを丁寧に聞きながら、就職に伴う雇用契約など諸手続きの際に通訳ボランティアを派遣するなどして、就労意欲のある方々に寄り添った支援を行ってまいります。
学校におけるウクライナから避難してきた子どもたちへの支援について
▶後藤香織
私が話を聞いたウクライナのご家族の中には、中学生がおり、夜はオンラインでウクライナの学校の授業を受け、昼は、近くの中学校に通っているとのことでした。
日本語が話せないウクライナから避難されてきた子どもたちに、地域で、学校で、楽しく過ごしていただきたいと思っています。
そこでこの項の最後に、学校では、ウクライナから避難されてきた子どもに対し、具体的にどのように支援を行っていくのか、教育長にお聞きします。
以上、知事、教育長の真摯なご答弁をよろしくおねがいいたします。
▶教育長
ウクライナから避難してきた学齢相当の子どもに対しては、本人・保護者の希望に応じて小中学校に受け入れています。
受入れに当たっては、日本語指導が必要な状況であったため、日本語指導担当教員や学習支援員による指導を行うほか、日常のコミュニケーションがとれるよう、翻訳機能を備えた端末を貸与しています。
また、受入れ自治体では、独自の支援策として、大学生とのオンラインや対面での日本語指導の機会を設けています。
さらに、学校外での日常生活についても、地域の支援団体が日本の習慣等を教えたり、母語が話せる外部人材の協力で、子どもや保護者の心のケアを行うなどの支援も行っているところであります。
つらい経験をして日本に避難する子どもたちが、充実した学校生活を送ることができるよう、今後も取り組んでまいります。
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