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2023年9月定例会・決算特別委員会における私の質問、「商店街の振興について」の内容です。

2023.10.3

商店街活性化の取組について

▶後藤香織

民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。

商店街振興についてお伺いします。

商店街は、住民の買物の場であるとともに、地域コミュニティの核として、人と人との交流や見守りなど、多様な機能を有しており、日常生活に欠かせない存在です。

本県内には428、福岡市内にも136の商店街が存在します。

私の地元早良区にも16の商店街があり、この約3年間の新型コロナウイルス感染症が、空き店舗や店舗の入れ替わりなど、商店街にも大きく影響を及ぼしました。

そこで、これからのコロナ後の商店街振興の取組について、質問をしてまいります。

まずはじめに、これまで商店街が行う商店街活性化の取組に対して、県としてどのような支援を行ってきたのでしょうか、実績も含めてお聞かせください。

 

▶中小企業振興課

県では、これまで商店街の魅力を高めるため、商店街の広場の舗装やアーケードの改修、コミュニティスペースの設置、専門家の個店への経営指導による繁盛店の創出、商店街への出店に興味がある方を対象とした空き店舗ツアーなど、様々なハード・ソフトの取り組みを市町村と連携して支援してまいりました。

また、国の事業を活用し、商店街の空き店舗に、地域の新たなニーズに対応したテナントミックス型施設を設置するなど、商店街に新たな機能を導入する取組も支援しています。

さらに、福岡県商店街振興組合連合会や福岡県商店街連合会が、それぞれの商店街の実情を踏まえて実施する、「まちゼミを利用したリピート客の獲得方法」や「効果的なPOP広告の作成」などの個店向け魅力アップ講習会や、「商店街におけるSDGsの取組」や「大型ショッピングセンターとの連携の進め方」などの商店街向けレベルアップ講習会の開催などについても支援しております。

こうしたことにより、商店街の活性化に取り組んでいるところです。

 

商店街のデジタル化について

▶後藤香織

市町村と連携して、さまざまな支援を行っていることはわかりました。

次に、支援の中から、特に、デジタル化への支援についてお聞きします。

コロナにより、新しい生活様式等への対応が求められ、デジタル技術を活用した非接触型のサービスの導入など、商店街のデジタル化は大きく前進しました。

そこで、商店街のデジタル化に対する県の支援はどうなっているのでしょうか、教えてください。

 

▶中小企業振興課

県では、福岡県商店街振興組合連合会や福岡県商店街連合会が商店街向けに実施する、「インスタグラムを活用した広報」や、「インターネットを活用した販路開拓」など、デジタルを活用した取組を促すセミナーの開催等を支援しております。

また、紙の地域振興券に比べて、若年層への利用拡大や、印刷・販売などの事務負担の軽減、取扱店舗では会計がスムーズになり業務効率の改善が見込まれるなどのメリットがあることから、県では、キャッシュレス商品券の発行を支援しており、さらに地域商品券のキャッシュレス決済を促進することで、商店街のデジタル化を推進しているところです。

 

商店街のキャッシュレス商品券導入について

▶後藤香織

今お話しにも出たキャッシュレス商品券ですが、これについては「導入のメリットや導入方法がわからない」、お店側からは「換金の際に手数料がかかり、紙よりも換金までに時間がかかる」といった声を聞きました。

そこで、県は、商店街のキャッシュレス商品券導入にあたり、商店街に対し、どのような支援を行っているのでしょうか、お聞かせください。

 

▶中小企業振興課

キャッシュレス商品券の導入にあたっては、決済事業者の選定やコールセンターの設置など、紙の商品券には無い対応が求められることから、不安があるとの声も聞かれます。

一方で、先ほど説明いたしましたメリットのほか、発行団体にとっては、使用済みの商品券の管理が不要となる、取扱店舗にとっては、利用データの分析結果を活用して売上向上に繋げることができる、などのメリットがあります。

そこで県では、キャッシュレス商品券を導入する商店街等の発行団体に対し、

・発行団体や取扱店舗、消費者それぞれのメリット

・キャッシュレス商品券を導入する際の決済事業者の選定から事業終了までの手順

・キャッシュレス商品券を導入している団体の取り扱い店舗に対して行ったアンケート結果

などを丁寧に説明するとともに、発行団体からの相談にも、きめ細やかに対応するなど、キャッシュレス商品券の導入に向けた支援に取り組んでいるところです。

また、発行団体に対し、利用者向けサポートデスクの設置やキャッシュレス商品券の取扱い解説動画の作成などに要する経費の助成をすることで、キャッシュレス商品券の普及・啓発に係る取組を支援しております。

これらを踏まえ、商店街の発行団体では、地域の実情に応じて、発行額や販売時期、取扱店舗、換金等の手数料やタイミングなど、最適な要件を決定し、事業を実施しているところです。

 

▶後藤香織

不安に思っている方もいらっしゃいますので、メリット等しっかり説明と導入支援をよろしくお願いいたします。

 

インバウンド消費の呼び込みについて

▶後藤香織

さて、新型コロナウイルス感染症が5類になり、ようやく海外からの外国人観光客も増えてきました。

日本政府観光局によると、訪日外国人旅行者数は1~6月の累計では推計値で1071万2000人となり、上半期で1000万人を突破。今後も回復が続けば、本年中の2000万人の到達も視野に入るとしています。

しかし、なかなか商店街への来訪にはつながっていないようです。

欧米では、ショッピングセンターはあるものの、個人商店があつまった「商店街」という概念自体は存在しないと聞いています。私は、商店街は、長い歴史と文化があり、その日本固有の魅力を、外国人観光客誘致に繋ぎきれていないのではないかと感じています。

そこで、外国人観光客の増加によるインバウンド消費を呼び込むため、商店街では、どのような取組が行われているのか、また、その取組に対して、県はどのような支援を行っているのでしょうか、教えて下さい。

 

▶中小企業振興課

外国人観光客の多い福岡市の商店街では、県の商店街活性化事業を活用し、「英語・中国語・韓国語など多言語表記によるガイドブックや案内看板、商店街ホームページの作成」や、「外国人観光客の利便性向上を目的とした無無料の公衆無線LANの整備」などに取り組んでおります。

また、県が発行支援を行っているキャッシュレス商品券を利用する際のスマートフォンの操作画面を多言語対応にすることにより、外国人観光客の呼び込みに繋げている商店街もあります。

 

▶後藤香織

今後、外国人観光客も増えていくであろうと予想され、例えば、兵庫県では「商店街インバウンド再開支援事業」として、外国人向けへの広報活動やツアーやイベントの実施、食事メニューの開発等に対し、補助を行う事業を行っています。

ぜひ、本県でもこういった事業を検討していただきたく要望します。

 

商店街組織の高齢化について

▶後藤香織

次に、商店街の組織運営の課題について、お聞きします。

商店街がこれからも社会の変化に対応し、まちの賑わいをもたらし、地域コミュニティの核を担う重要な役割を果たしていけるよう、商店街組織自体への活動を支援していくことが、私は、必要ではないかと考えています。

しかし、商店街組織の役員は、高齢化などにより担い手が不足しているといった声を聞いています。

そこで、商店街組織役員の高齢化の現状についてお聞かせください。

併せて、商店街の活性化のためには、商店街組織の若返りは重要だと考えますが、県の取組についてお聞かせください。

 

▶中小企業振興課

令和3年度に、国が実施した商店街実態調査のうち、本県分の調査結果によりますと、商店街における理事長や会長など役員については、60代が32.0%、70代が27.2%で、60代以上でみると59.2%となっております。

また、県内の商店街で、「次世代リーダー若しくはその候補となる人がいる」と回答した商店街は約46%にとどまっており、商店街からは「会長の後継者がいない」、「次世代を担う若手がいない」などの声が上がっております。

このため、県では、今年度から、商店街の次世代リーダーを育成する事業を開始しております。

11の商店街から参加した次世代リーダー候補者に対して、商店街活性化の取組に精通したコーディネーターのもと、商店街活性化の手法をワークショップ形式で学ぶセミナーや、先進的な取組を行う商店街の視察、リーダー候補同士の横のつながりを作る交流会の実施、さらには、本事業で習得した情報や知識を生かした事業計画書の作成支援などに取り組んでおります。

こうした取組を通じて、商店街組織の活性化に繋げてまいります。

 

商店街におけるチェーン店の状況について

▶後藤香織

次世代リーダーの育成、しっかりとお願いいたします。

商店街組織の活動については、福岡市など都市部の商店街では、チェーン店が多く、商店街加入や商店街組織の活動に積極的でないチェーン店もあり、対応に苦慮しているともお聞きしました。

そこで、商店街におけるチェーン店の状況とチェーン店の商店街組織への加入状況についてお聞かせください。また、チェーン店が商店街組織に加入することがメリットとなる取組はあるのでしょうか、教えてください。

 

▶中小企業振興課

国の商店街実態調査によりますと、県内の1商店街あたりのチェーン店数の平均は8.2店舗です。

これに対し、福岡市の商店街実態調査による市内の平均は14.8店舗となっており、県内平均よりも多くなっております。

また、チェーン店の商店街組織への加入率は、市の調査では79.4%となっております。

チェーン店が商店街組織に加入することがメリットとなる取組としては、商店街が実施する集客力のあるイベントの開催や、商店街組織に加入している店舗のみ使用できる商店街独自のプレミアム付き地域商品券の発行などがあり、加入促進につなげています。

▶後藤香織

イベントの開催や地域商品券の発行などで、加入促進につなげているとのことでした。商店街の組織運営自体の直接支援につながるような支援を今後もよろしくお願いいたします。

 

今後の商店街への支援について

▶後藤香織

商店街には、長い歴史と文化があり、地域の商業機能や地域コミュニティの担い手といった重要な役割を担っています。

最後に、今後も商店街への支援が欠かせないと考えますが、部長の決意をお聞かせください。

 

▶商工部長

商店街をめぐる環境は、コロナ禍や原材料・物価高の影響など、厳しい状況が続いておりますが、地域の皆様の買い物の場、地域コミュニティを支える場として、重要な役割を果たしており、その活性化は重要な課題であると認識しております。

このため、県では、にぎわい創出のためのイベントの開催やアーケードの改修、商店街での消費を喚起するためのプレミアム付き地域商品券の発行などの支援を行っております。

さらに、今年度から新たに、若者の商店街組織への参加を促し、商店街の若返りを図ることを目的とした「次世代リーダー育成事業」を開始するなど、ソフト・ハードの両面にわたり、様々な活性化策を展開しているところです。

県としては、今後も商店街がその魅力をより一層高め、地域の商業機能や、地域コミュニティの担い手としての役割を果たしていけるよう、しっかりと支援してまいります。

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